日本では、全国各地にたくさんの美味しい「鯖のブランド」が展開されています。中には高級ブランドと呼ばれるものや、日本一美味しいといわれるものなどさまざまです。
しかし、ブランド名だけ聞いても
「どのブランドが美味しい鯖なの?」
「値段が高いだけじゃないの?」
と分からないことも多く、なかなか手を出しづらいという方も多いはず。
そこで今回は各地の鯖のブランドをまとめ、その中でも特に注目のブランド鯖を5つご紹介します。鯖のブランドについて少しでも知っていただき、お気に入りのブランド鯖を見つけていただけますと幸いです。
国産鯖のブランド一覧
これまで鯖のブランドといえば、天然物が主流でした。自然の海で生き抜いた天然の鯖は、身がとても引き締まっています。鯖本来の風味が強いため、鯖好きの方から根強く愛され続けています。
しかし近年、天然の鯖は不漁が続いており、価格が高騰しています。高級ブランドになると、なんと1kgあたり30,000円を超える鯖もあります。
そこで需要を伸ばしているのが養殖の鯖です。
近年では養殖ブランドが増加し、特に中国地方や九州地方は養殖鯖の激戦区となっています。養殖鯖が普及したことにより、1年中美味しい鯖が手に入るようになりました。
また、餌にこだわって養殖することで、ブランド特有の旨味を持たせられるメリットがあります。天然・養殖どちらのブランド鯖にも共通しているのは、下記のような厳しいブランド基準をクリアしていることです。
<ブランド基準の例>
- 鯖の脂質量
- 鯖の重量
- 鯖の漁法
- 鯖の漁獲(水揚げ)地域
どのブランド鯖も程よく身が引き締まり、抜群の脂乗りを誇ります。決められた地域で、指定の漁法によって水揚げされた鯖だけが、ブランド認定されるのです。そうして選び抜かれたブランド鯖の上品な味わいは、我々の舌を唸らせてくれること間違いなしです。
次の章で、鯖のブランドを「天然物」「養殖物」に分けてご確認いただけます。
天然のブランド鯖
ブランド名 | 地域 |
北釧鯖(ほくせんさば) | 北海道釧路市 |
八戸前沖さば(はちのへまえおきさば) | 青森県八戸市 |
金華さば(きんかさば) | 宮城県石巻市 |
銚子極上サバ(ちょうしごくじょうさば) | 千葉県銚子市 |
松輪サバ(まつわさば) | 神奈川県三浦市 |
あのりさば | 三重県志摩市 |
紀さば(きのさば) | 和歌山県由良町・湯浅町 |
清水さば | 高知県土佐清水市 |
岬サバ(はなさば) | 愛媛県西宇和郡 |
関さば | 大分県大分市 |
旬さば(ときさば) | 長崎県松浦市 |
養殖のブランド鯖
ブランド名 | 地域 |
よっぱらいサバ | 福井県小浜市 |
ぼうぜサバ | 兵庫県姫路市 |
お嬢サバ(おじょうさば) | 鳥取県岩美郡 |
境サバ(さかえさば) | 鳥取県境港市 |
柑橘サバ | 愛媛県西予市 |
唐津Qサバ | 佐賀県唐津市 |
長崎ハーブ鯖 | 長崎県松浦市・佐世保市 |
源さば | 大分県佐伯市 |
ひむか本サバ | 宮崎県延岡市 |
むじょかさば | 鹿児島県出水郡 |
人気のブランド鯖5選
鯖のブランドは、天然・養殖に関わらず、幅広い人気があります。その中でも特に人気の高いブランド鯖や、特徴的なブランド鯖から5つをご紹介します。
八戸前沖さば(天然サバ)
八戸前沖は、日本の主な鯖が獲れる漁港の中で、本州最北端に位置する漁場です。八戸前沖さばの多くは、北太平洋海域を回遊している天然の鯖を、巻き網方式で漁獲します。八戸前沖さばブランド協議会が認定した期間に漁獲された鯖にのみ、八戸前沖さばのブランドが与えられます。
協議会がブランド認定する漁獲期間は毎年変わります。水揚げ状況、脂肪分、重量等を参考に、協議会が毎年判断し漁獲期間が決定します。(漁獲期間:秋〜冬)
八戸前沖の鯖は、沿岸に生息するマサバと、沖合いに生息するゴマサバの2種類です。八戸前沖で獲れるマサバとゴマサバは、旬の時期に1ヶ月程度の差があります。マサバは9月頃に脂肪分が増えるのに対し、ゴマサバは8月頃に脂肪分が増え始めます。
マサバは肉質が締まっているため、しめ鯖に使用されることが多いです。一方ゴマサバは肉質が柔らかいため、焼き物として食されることが多いです。旬の時期、600g以上の大きな八戸前さばの中には、脂肪分が30%に達するものもあります。通常の鯖の脂肪分は12%程度といわれるので、その差は歴然です。
それでいて八戸前沖さばの脂肪分は、通常の鯖よりも後味がスッキリしています。飲食業界の間では「日本一脂が乗った鯖」と評価する方もいるくらい親しまれている有名ブランドです。
金華さば(天然サバ)
金華さばは、旬である9月から1月頃に金華山沖で漁獲され、石巻港に水揚げされた大型の天然マサバです。たとえ金華山沖で漁獲されても、石巻港以外で水揚げされた鯖は金華さばと呼べません。また、金華さばに認定される鯖の割合は、石巻港で水揚げされる鯖全体の1割以下しかありません。
そのため金華さばは、とても貴重な高級ブランドとして知られています。特に近年では大型の金華さばの漁獲量が減り「幻の鯖」といわれるまで希少価値が上がりました。
金華さばの身は厚く引き締まり、かけた醤油を弾くほど脂が多く含まれています。しかし後味はスッキリしていて、「鯖は苦手だけど金華さばなら食べられる」という人までいるほどです。
※「金華さば」について詳しく知りたい方は、以下の記事をご参考ください。
関さば(天然サバ)
関さばは、大分県の豊後水道で、一本釣りによって漁獲される天然のマサバです。豊後水道は餌が豊富で潮流が速いため、脂乗りの良い、健康で身が締まった鯖が育ちます。
鯖とは思えないほど透明度の高い白く引き締まった身と、ぷりぷりの食感が人気の秘密です。歯ごたえがとにかく良く、噛むたびに深みのある味わいが広がります。
関さばは、日本で一番最初に鯖をブランド化させたとして「鯖の帝王」とも呼ばれる王道ブランドです。1990年頃に注目され始めてから約30年間、ずっと全国トップクラスの高級ブランド鯖として評価され続けています。
関さばは、一本釣りで漁獲されるため、身に傷がつきにくく、生きたまますぐに漁港まで運ばれます。さらに漁港では、活け絞めや神経抜きなどの丁寧な処理を行い、鮮度が高いまま全国に出荷されるのです。関さばは、寄生虫が発生しにくいことでも有名です。
お嬢サバ(養殖サバ)
お嬢サバは、JR西日本と鳥取県が共同開発した完全養殖のマサバです。地下海水を使い陸上養殖することで、アニサキスなどの寄生虫がつくのを防ぎます。虫がつかぬよう大切に育てられたというプロセスから「箱入り娘」を連想させ、この名がついたそうです。
衛生面を徹底しているため、普段は味わえない白子や真子、肝も含め、生食で安心していただけます。上品な甘さの脂を持ち「お嬢」の名に負けぬ美しい見た目をしています。
長崎ハーブ鯖(養殖サバ)
暖かい九州の恵まれた海の中、ハーブを配合した餌を与えて育てられたのが、長崎ハーブ鯖です。鯖に含まれる栄養素にハーブの効能が加わることで、より健康効果を引き出し、風味や日持ちを良くしています。ハーブを餌にしているおかげで鯖に臭みがないのが特徴です。そのため、お子様や鯖が苦手な方からも好評を得ています。
長崎ハーブ鯖は「いつも新鮮」をコンセプトに掲げてブランド展開しています。たとえ旬の季節が終わっても、一年を通して最高に脂が乗った美味しい鯖をいただけるのは、養殖ブランドならではです。
まとめ
鯖は今や全国各地にブランド展開しています。
健康的な旬の天然鯖のほか、養殖鯖が加わることで、一年中美味しい鯖を食べることができます。
朝日屋では、三陸漁場(世界三大漁場)の鯖を中心に、その時手に入る最良の鯖を使い、鯖寿司を提供しています。どんな時も最高のおもてなしができるよう準備しておりますので、是非一度ご賞味くださいませ。
本記事は以上となります。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。